花の名は、ダリア
「おー、イイぞ。
取り扱いには注意しろよ?
切れ味、半端ねェから。」
「でも… おまえは…」
「俺のコトは気にすンな。
言ったろ?
得物なくても最強だって。」
骨ばった手が伸びてきて、俯くヨシュアの頭をワシワシと撫でる。
最近…てか、この変な二人組に出会ってから、よく頭を撫でられている気がする。
小さく優しい手にはヨシヨシと。
大きく乱暴な手にはワシワシと。
全く違う感触だけど、どちらも等しく心地好い。
ワシワシ、ワシワシ、ワシワシワシワシワシワシワシワシ…
って、イイ加減しつこいわっ!
「ちょ、やめ…
ぅわっ!?」
ヨシュアが首を振って抗議しようとすると、強い力で頭が押さえつけられた。
ついでに、強く響く声も降ってくる。
「ヨシュア。
俺が教えたおまえの力は、おまえの大切な人を守るためにある。
使い方を間違えて、今際の際に『俺、ナニやってたンだろ?』なんて考えなきゃなンねェような、調子こきのアホのコにはなるなよ。」
「へ…」
手が離れ、ヨシュアが間抜け面を上げると、ソージは既に部屋の外。