花の名は、ダリア

「残念だっわね。
アナタたちは騙されたのよ。
奇跡が起きて『仕えし者』を生み出せたとしても、なにもかも奪われていたでしょうね。」


「命すら、奪われてたかも知れねェな。
バーカ、バーカ、ヴァァァァァカ!」


「ふぇ…
ぅわぁぁんぅわぁぁぁん…」


踊らせていたつもりが、完全に踊らされていたことを理解して、トーデスエンゲルは両手で顔を覆って号泣し始めた。

まじ楽しいヤツだな、コイツ。

でも、ごめん。
そろそろ飽きた。


「その虜囚ってのは、ドコにいンの?」


ソージは蹲って泣きじゃくるトーデスエンゲルの膝を靴の爪先でつつき、冷めた声を投げかけた。

まさにイジメっコとイジメられっコの図。

ビクビクと身を縮めながら、イジメられっコが白状する。


「ふぇっ
地下の… 独房に… ふぇっ」


「ココの地下にいるのね?
私、行ってくるわ!」


嗚咽混じりの声を聞いて、ダリアは手術台を飛び下りた。

そして、逸る気持ちを抑えきれないように、長いペールブロンドを靡かせて…

って、いやいや。
ちょっと待て。

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