花の名は、ダリア

まじか。

患っとる。
てか、完全に拗らせてやがる。

これは…
参ったな。

現役中二病患者に黒歴史ポエムの音読なんて、効果ねェじゃねーか。

こりゃ、拷問プランを練り直す必要が…


「そんなのヤだって言うと、サムは私から離れていったわ。
それからずっと、自分で『仕えし者』を作ろうと試行錯誤しながら、『穢れし者』を生み出し続けてる。
私も騙されていたのね。
きっと… 最初から。」


皺を刻んだ眉間を指で押さえるソージの鼓膜を、胸が締めつけられるような切ない囁きが揺らした。

なんて声出してンの。
でもって、なんて顔してンの。

やめろよ。


「ダリア…」


ソージは涙の結晶を凍てつかせる花を、そっと抱き寄せた。

だが、いつものように抱きしめ返してはもらえない。

まるで花自体が凍りついてしまったよう。


「私がバカだったの。
みんなと同じになれる、なんて。
一人キリじゃなくなる、なんて。
バカな夢を見てしまったの。」


やめろってば。
そんなコト言うなよ。

俺がここにいるのに…

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