花の名は、ダリア


虎穴に入らずんば虎児を得ず

正にソレでしたわ。

ノープランの行き当たりバッタリで虎の穴に飛び込んだら、虎の児GETできちゃいましたわ。

故事成語ってスゴいね。
ためになるね。

まぁ、全面的に他力本願でしたケドね。

とは言え、ヨシュアは頑張っていた。

銃弾飛び交う大混乱の中を、デボラを庇ってスネークばりに逃げ隠れしながら、森の洞窟を目指していた。

それでも何度かは、ね?
うっかり見つかっちゃったりもしたンだよ。

傷つき、自暴自棄になったナチス兵たちは、気が狂ったように吼えながら襲いかかってくる。

その度にヨシュアは、教えられたことを忠実に守って切り抜けた。

ソージから貰った刀は、想像以上だった。

軽く薙いだだけでも、そこそこザックリいく。
切り結べば、相手のサーベルはポッキリいく。

その上、脂巻きで切れ味が落ちたり、刃こぼれしたりしない。

ナニコレ?
斬れないのはコンニャクだけっつー、幻のアレなのか?

それでもヨシュアは、血に酔ったりはしなかった。

相手が動きを止めると、デボラの手を引いてスタコラサッサと逃げ出した。

この刀も、この力も、誰かを傷つけるためのモノじゃない。

大切な誰かを、守るためのモノなのだ。

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