花の名は、ダリア

「…
あー… いやいや、思い上がってマシタ。
ゴメンナサイ。」


「あら、どうして?
ソージは世界最強…
んーん、宇宙最強だと思うわ。」


「や、もう許して。
そんなに素直に賛同されちゃうと、なんつーか…自分のイタさに気づくっつーか…」


不思議そうに首を傾げるダリアに見つめられ、ソージは赤くなった顔をさりげなく背けた。

ドヤァァァ、とばかりに胸を張ってたのにね。

コレぞ天然最強説。

所在なく視線を彷徨わせると、炎に包まれたアウシュビッツ。

地獄の門は閉じた。


「ねェ、ソージ。
ヨシュアたちにお別れを言わないでよかったの?」


声をかけられて目をやれば、ダリアも赤く染まった夜空を見ていた。

ソージが再び視線を戻す。

二人で、同じ空を見る。


「いいンです。
てか、クソガキとはお別れ済みです。
ダリアこそ、よかったンですか?」


「…
私もイイの。
二人には、嫌われちゃったと思うし。」


「へ?
どうして?」

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