花の名は、ダリア
地獄の中で出逢った、恐ろしくも清らかで優しい花は、彼らの心の片隅に咲き続けるだろう。
枯れることなく、瑞々しいまま、永遠に。
俺だけの花なワケだから、ぶっちゃけソレすら気に入らないケド…
まぁ、ヨシュアなら許してやってもイイ。
「じゃ、俺たちも行きますか。
洞窟に。」
ソージはヒョイと枝を飛び移ってダリアの隣に立ち、彼女に手を差し伸べた。
その手に自らの手を重ねながらも、ダリアは小首を傾げる。
「洞窟に?
ヨシュアたちには、もう会わないわよ?」
「えぇ、会いませんよ。」
「じゃあ、どうして洞窟に?」
「おや、忘れちゃったンですか?」
手を引いてダリアを立ち上がらせたソージは、彼女に優しい、優しーい微笑みを向けた。
コレは…
「言いましたよね?俺。
今すぐ、この場で、ヤらせろください。」
やっぱりこんなんキタ───!!
「今?
すぐソコに火事場がある、この状況で?
冗談でしょう?」
顔を引きつらせたダリアが、さりげなく手を離そうとするが…