花の名は、ダリア
って、苦情が殺到しそうな無責任発言はヤメテ。
はなだが凍りつくから。
もうおわかりデスヨネ?
ココは日本。
そしてコスプレイベント会場。
ナンデコーナッタ…
その理由は、少し時を遡る。
「ねェ、ソージ。
里帰りしたくない?」
とある国のアパートの一室で、ネットサーフィンしていたダリアが急なコトを言い出した。
「里帰り…って、日本に?
いえ、別に。
刀を仕入れに、ちょこちょこ帰ってましたし。」
キッチンでフライパンを振りながら、ソージは答えた。
食欲をそそる香りに鼻をヒクつかせて、ダリアが振り返る。
夕飯のメニューが気になるようだ。
けれど今日は、ソージの腰に抱きついて、手元を覗き込んだりはしない。
「でも、最近は帰ってないでしょう?」
パソコンの前から離れることなく、ダリアは色のない唇を尖らせた。
だがやはり…
「今時、なかなかの古刀が海外に出回ってますからね。
わざわざ帰る必要がないンですよ。」
ソージの返事は素っ気ない。