花の名は、ダリア
Ⅱ
そんなこんなで、コーナリマシタ。
黒い袴下。
黒縞袴。
そして、浅葱色のダンダラ羽織。
…
コレ、もはやコスプレじゃねーよ。
一昔前のリアルだよ。
やたらとデカい鏡に映った自分の姿を見て、ソージは深い溜め息を吐いた。
自分的に違和感なさすぎ。
けれど隣に立つ麗人は、同じ格好をしているクセに異彩放ちすぎ。
ナニを着ててもやっぱフェアリー。
だが、凛々しさ五割増し。
髪を結ってうなじが露になったせいで、艶っぽさは倍増。
オカシィな。
肌の露出なんて、ほとんどナイのにな。
なんでそんなにエロいの。
おかげで、ドイツもコイツも、男も女も、ポカンと口を開けてガン見してきやがる。
こっそりカメラレンズを向ける、不届き者までいやがる。
ソレはダメだろ。
一声かけるのが、マナーってモンだろ。
睨むだけで逃げてくヘタレばっかで実害はないが、数が多くて地味に疲れる。
(人目が気になるっつーか、人目で身体に穴開きそーなレベルじゃねェか…)
ソージは嫌そうに眉を顰め、会場を見渡した。