花の名は、ダリア
団長がナニか言う度に、興奮ぎみの歓声が上がる。
トイレの場所など、施設案内をしても『ぅおぉぉぉ!』
声優が登場する、ミニライブの時間案内をしても『ぅおぉぉぉぉぉ!』
『この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、私のトコロに来なさい!以上!』
なんて締めくくった日にゃ、アンタ…
『いぇぇぇぇぇぁぁぁぁぁ!!』
だってよ。
年取らないケド、年だもん。
ジーチャン、このテンションにゃついてけねェよ。
もう帰ろう。
帰って、ダリアと二人、昆布茶でも飲んでホッコリしよう…
急に老けこんでしまったソージは、ダリアの腰に回した腕に力を込め、彼女を出口に誘導しようとした。
が!
「ソージ、あの人を追いかけましょう。」
ステージの袖に消えていく女を目で追いながら、ダリアがこんなん言い出しちゃいマシタYO!
「あの電波サンを?
どうしてです?
俺らは宇宙人じゃないし、あの女だって『穢れし者』じゃないでしょ?」
「そうね、人間だわ。
でも、サムの仲間かも。」
「…
どーいうコトです?」
瞬時に若さを取り戻したソージは、ダリアを連れて素早く会場の外へ出た。