花の名は、ダリア
うん…
確かに見下ろしてンだケド…
ソージは人をバカにしたような笑みを口元に漂わせたまま、少し首を傾げて腕を組む。
「まず、ココから出せ。」
ぅわぁ…
完全に上から。
逆に、見下されている気分になる。
「そうか。
その不遜さが、君を実際よりも大きく見せているンだね。」
苦笑混じりにそう言ってから、サムはクルリと背を向けた。
そして元の場所まで戻り、今度はソージと向かい合うよう、ソファーではなくオットマンに腰を下ろす。
どうやら、ソージを檻から出す気はないらしい。
「でも君さー、そーゆー態度は改めたほうがイイよ?
特に、立場が上の人物に対しては。」
身を屈めて膝に肘を置き、その上に頬杖をついてサムは微笑んだ。
「ご忠告、どーも。
じゃ、今は改める必要なさそうだな。」
「僕より、自分が上だと思うから?
…
ほんとにそうカナ?」
楽しげに笑ったサムが、蛇が鎌首をもたげるようにゆっくりと雰囲気を変えていく。
その笑顔、一言で表すなら、『狡猾』。