花の名は、ダリア

「あの人と永遠を共に出来るヤツらを増産した日にゃ、おまえ、あの人が俺だけのモノじゃなくなっちまうじゃねェか。
誰が好き好んで、そんなコトするかっての。」


「そんな…」


「あの人は孤高の花であればいい。
俺だけが愛でる花であればいいンだよ。」


「そんなんじゃ…
『ノエル』の傷は癒せない…
むしろ傷つくばかりじゃないか…」


「傷つきゃイイよ。
痛みを感じる暇もないほど、俺が愛してやる。
孤独を感じる暇もないほど、俺が愛してやる。
心配すンな、任せとけ。」


「任せられるか!
そんなんじゃ君は、いつか『ノエル』を壊してしまうゾ!!」


とうとうサムは、悲痛な叫びを上げた。

なんちゃってベルサイユに沈黙が落ちる。

目を見開いて立ち尽くしていたソージは、やがて手で口元を覆って呟いた。


「まさか…
俺がいつか、あの人を壊すだなんて…」


「そうだよ。
良かった。
考えを変える気になったンだね。」


「考えを変える?
とんでもねェ。
本人が目の前にいないにも関わらず、フル勃起するほどの性的興奮を覚えたわ。
責任取って最期まであの人を愛すから、全面的に任せとけ。」

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