花の名は、ダリア
だ──か──ら──!!
任せてらンねェェェェェ!!
「そんなのは愛じゃない!!
君は狂ってる!!」
サムは髪を振り乱して怒鳴った。
そして一息ついた後、ガラリと表情を変えてうっすらと笑う。
「もうイイよ。
手を変えよう。
君の命は『ノエル』との交渉材料にさせてもらうよ。」
不快な笑顔だ。
言ってるコトも、実に不快だ。
人質を盾に要求を突きつけるなんざ、ドコのテロリストだよ。
「やーっと本音を出したな。
カルトの教主サマはよ。」
サムとは対照的に表情を消したソージが、静かに口を開く。
「結局おまえは、高みで策を巡らせて、人を意のままに動かすのが好きなだけた。」
「…なんだって?」
「あの人のコトだって、そうだ。
あの究極の自由人を『国』なんて自分が作ったシステムに組み込んで、実質、支配下に置いておきたいだけだろ。」
「違う!
僕は『ノエル』のために」
「違う?そーか?
じゃ、なんで『貴族の国』じゃなくて『仕えし者の国』なンだ?
自分と対等の存在が増えるのは、嫌なンだろが。」