花の名は、ダリア


優しくも狂った微笑みを消し去るために、サムが親指に力を込める…

ゴっっ ゴ…ガシャ──ン!!


「は?」


「は?」


ハイ、寸止め。

部屋を揺るがした轟音と衝撃に、ソージとサムは仲良く目を見開いた。

シャンデリアだ。
天井の一部と共に、シャンデリアが落下してきた。

まじでファントム出現かよ。

と、思ったら!


「ソージ!」


天井に開いた穴から、愛らしい声と華奢な人影が降ってきた。


「ダリア!?」


「『ノエル』!?」


またも、仲良く声が重なる。

が、ダリアは片方を完全に無視し、もう片方に駆け寄って拳を振り被った。

唸る右ストレート。

ゴンっっ


「~~~っっ
イタいぃぃぃ~」


「ちょ… 大丈夫ですか!?」


ソージも、慌ててダリアの前まで駆け寄った。

< 359 / 501 >

この作品をシェア

pagetop