花の名は、ダリア
けれど、ガラス越しに掌を合わせて、まだまだスイーツ(笑)継続中。
二人の世界とか、勘弁してよ。
てか、二人の世界じゃないからネ!?
「イイ加減にしてェェェェェ!!??」
甘い空気と疎外感に耐え切れず、サムは頭を抱えて悲鳴を上げた。
あぁ…
お気の毒。
驚いて振り返ったダリアが、目を見開く。
「あら。
サム、いたの。」
あぁぁ…
本当にお気の毒。
だが、存在は認識された。
「久し振りだね、『ノエル』。
君は相変わらず美しい。」
余裕を装って。
目一杯イイ笑顔で。
サムはゴールデンブロンドを掻き上げた。
気障か。
「そして、相変わらず困った人だ。
このビルを提供してくれたのは僕の信奉者とはいえ、さすがにコレでは叱られてしまう。」
「提供?
騙して巻き上げた、の間違いでしょう?
お得意のペテンで誤魔化せばイイじゃない。」
肩を竦めてみせるサムから、ダリアはプイと顔を背けた。