花の名は、ダリア

けれど、ガラス越しに掌を合わせて、まだまだスイーツ(笑)継続中。

二人の世界とか、勘弁してよ。
てか、二人の世界じゃないからネ!?


「イイ加減にしてェェェェェ!!??」


甘い空気と疎外感に耐え切れず、サムは頭を抱えて悲鳴を上げた。

あぁ…
お気の毒。

驚いて振り返ったダリアが、目を見開く。


「あら。
サム、いたの。」


あぁぁ…
本当にお気の毒。

だが、存在は認識された。


「久し振りだね、『ノエル』。
君は相変わらず美しい。」


余裕を装って。
目一杯イイ笑顔で。

サムはゴールデンブロンドを掻き上げた。

気障か。


「そして、相変わらず困った人だ。
このビルを提供してくれたのは僕の信奉者とはいえ、さすがにコレでは叱られてしまう。」


「提供?
騙して巻き上げた、の間違いでしょう?
お得意のペテンで誤魔化せばイイじゃない。」


肩を竦めてみせるサムから、ダリアはプイと顔を背けた。

< 362 / 501 >

この作品をシェア

pagetop