花の名は、ダリア

なるほど、理解できた。

このアミューズメントパークに改造された会場も、コスプレイベントの費用も、『信奉者』とやらが貢いだモノなのだ。

さすがカルトの教主サマ、そこそこ規模がデカい。

こりゃまだ、他にも隠し玉がありそうだ。

出せ。
もっと情報出せ。

黙って念波を飛ばすソージに…


「ヒドいなぁ。
恋人に、その言い草はないンじゃない?」


とんでもねー情報キタ!?

ソージが「恋人?」なんて小さく呟いたコトに、情報提供者であるサムは、全く気づかない。


「何世紀昔の話をしているの?
大体、私を置いてったのはサムじゃない。
今更、恋人面しないでよ。」


また、こんなんキタ!?

ソージが「昔の恋人?」なんて小さく呟いたコトに、情報提供者であるダリアは、全く気づかない。

またも、コンビ変わって二人の世界。


「『ノエル』… そんなコト言ってもイイの?」


「いけない?
全部事実じゃないの。」


「今、ソージくんの命は、君の一言に委ねられているのに?」


眉を顰めるダリアに、柔和に微笑んだままのサムが言った。

< 363 / 501 >

この作品をシェア

pagetop