花の名は、ダリア
サムのイヤらしい手口、再び炸裂。
けれど愛する女に、醜さの全てを曝け出す根性はない模様。
「僕だって、本当はこんなコトしたくない。
今すぐ彼を解放してあげたい。
だから『ノエル』…
僕の頼みを聞いてくれないか?」
髪と同色の金の睫毛を伏せたサムは、悲しげに訴えた。
マダムキラーの本領も炸裂。
だが…
「解放してあげたい、ですって?
そんな必要ナイわ。」
ハイ、不発。
檻をビっと指差して、ダリアはサムを睨みつける。
「ソージなら、こんなのすぐに壊せるンだから!」
「無理だよ。
『ノエル』も、手がジ~ンとなったでしょ?
それに、彼の頭上にはUVランプが」
「無理じゃないっ!
ソージはスゴいのよ?
なんだって出来るのよ!?」
「無理だったら。
てか、最後まで話を」
「無理じゃないったら、無理じゃないっ!
ソージはね?今すぐ出てきて、私と帰るの!
そうでしょ?ソージ。
…
あら?ソージ?」
同意を求めて振り返ったダリアは、一変した檻の中の様子に目を瞬かせた。