花の名は、ダリア
愛想尽かされたカナ。
病気が怖くなったカナ。
それとも。
バーサンの身に、なにか…
落ち着かない気持ちでソージが腰を上げようとした時…
バタバタバタ…
「旦那っ!」
騒々しい足音と共に、バーサンが庭に駆け込んできた。
あぁ、良かった。
ご無事でしたか。
…
でも、なんで今日は庭からお出ましなの?
なんでそんなに息を切らしてるの?
なんでそんなに青ざめてるの…?
「バーサ」
「旦那、スミマセン!
今日は来られません!」
ソージの呼び掛けを遮ったバーサンは、白髪が目立つ頭をガバっと下げて謝った。
てか、謝る必要ねェだろ。
来られないなんて言いながら、来てンじゃん。
「あー、気にするコトねェよ。
無理させてンのはコッチなんだから、頭下げたりしねェでくれよ。」
眉をハの字にして苦笑したソージは、片手を顔の前でヒラヒラ振った。
だが…