花の名は、ダリア

「ダリアの…
彼女のコトなンだケドさー…」


MARUTA男の親指が、ビュッフェカウンターの前に立ったまま幸せそうにマカロンを頬張るギロチン美女を、チョイチョイと指し示す。

って、ギロチン美女、自由か。

てかコレ、まさかの恋愛相談なの?


「俺さ、ついこの前、念願叶って彼女の恋人になれたンだケドさ。」


「おー、そりゃオメデト。」


「うん、アリガト。
でさ、恋人って、いったいナニすりゃイイの?」


「へ?
や、アンタら、二人でメシ食いに来てンじゃん。」


「メシくらい、恋人じゃなくても一緒に食うだろが。
そーゆーンじゃなくて…
特別な、っつーか?
彼女が喜ぶような、っつーか?」


『特別』って…

なんか、ほんとにカワイイMARUTAだな。
ギロチン美女が好きすぎンだろな。

コレは真剣に答えてやらねば。


「夢のネズミ王国に連れてくとか。
女のコはみんな、大喜びじゃん?」


「ソレ、もう行った。
フロリダのも、カリフォルニアのも、パリのも、香港のも。
もちろん東京のもな。
他にはねェの?」

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