花の名は、ダリア
するとMARUTA男はガバっと身を起こし、最初と同じ刺すような視線を俺に向けてくる。
「ンだよ、イイ加減なコト言いやがって。
斬り刻むゾ。」
コワっ。
斬り刻むの好きだな、コイツ。
ソレはゴメンだ。
てか、最後まで聞け。
「イイ加減じゃねーよ。
だってアンタら、長い間、いつも一緒にいたンだろ?」
「…
おー…」
「その上で、アンタがイイってカノジョさんは言ったンだろ?」
「…
おー…」
「じゃ、カノジョさんは、アンタと過ごす『いつも通り』が好きなンじゃね?」
「…」
「イイと思うよ?『特別』なんてなくても。
定期的に刺激が必要な関係なんて、大抵長く続かないし。」
「…」
「俺と俺のカノジョも、結構長い付き合いだケドそんなカンジ。
『特別』どころか予定や約束がなくても、なんかいつも一緒にいるの。
でもソレは当たり前なんかじゃなくて、奇跡みたいに貴重なコトだと思うンだ。」