花の名は、ダリア
じゃあ、今回はどうなる?
二度あるコトは三度ある?
それとも、三度目の正直?
三度目の正直でダリアが全てを知ってしまったとして。
彼女はどうするのだろう。
自分は支配する側にありたい、だとか。
自分と対等な立場のヤツはいらない、だとか。
そういう『自分がー自分がー』的利己主義感は否めないが、それでも、サムを動かす原動力の根底にあるのは、『ノエル』への愛だ。
その愛を知り。
去っていかれたわけではなかったことを知り。
サムを受け入れれば、孤独から逃れられると知った時。
彼女はどうするのだろう…
(どうもさせませんケドネ!?)
ソージは憤懣やるかたなしといった表情で、幾分乱暴にハンドルを切った。
すると船体が大きく傾き、ダリアが『きゃー』なんて愛らしい歓声を上げる。
そうだよ。
ソレでいいンだよ。
俺のするコトだけに、反応してればいいンだよ。
俺だけを見て、俺だけに微笑みかけて、俺だけのために咲いていればいいンだよ。
貴方は俺だけの、唯一の花なンだから。
けれど…
もしも貴方が、差し出されたサムの手を取るというのなら…