花の名は、ダリア

ぅーん…


「ねェ、ダリア。
コイツ、ドッカで見たコトありません?」


「さぁ?知らないわ。
ソージの生き別れの妹、とか?」


ぅぅーん…

うるさい。
てか、頭イタい。


「ちょっとメガネ取ってみれば…」


「あー!メガネ!
貸して、貸して?
どう?似合う?」


ぅぅぅーん…

人のメガネ、勝手に取った挙げ句、似合ってンじゃねーよ。

返せよ。


「あ、やっぱり。
コイツ、イベントにいた団長じゃねェか。」


「ほんとだ。
宇宙人に会いたい、電波サンだわ。」


ぅ… ぅぅぅーんんんんん!!??


「違うから!
ほんとはあんなキャラじゃないから!
恥を忍んでやってたンだからぁぁぁぁぁ!!??」


つい最近刻んだばかりの黒歴史をつつかれて、女は真っ赤になって飛び起きた。

すると途端に、聡明と評判の頭脳が覚醒し、自らが置かれた状況を素早く把握し始める。

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