花の名は、ダリア

「逃げないでください。
てか、大丈夫ですか?」


「ぁぅぅ…
ごめんなさい…」


「ハイ?」


潤んだペールブルーの瞳に見上げられ、カオリが硬直する。

ナンナンダ?
この可愛い生き物は。

拾って帰りたい。

いやいや、正気に戻れ。

『ごめんなさい』って、ナンナンダ?


「ちょっとォォォォォ!」


ザっと木の枝を揺らす音がして、首を捻るカオリの前に怒声と人影が降ってきた。

両手を広げてダリアを背に庇い、憤然と仁王立ちするのは…


「なにウチのコ泣かしてくれてンの!?」


オカーサンだ。

いや、ソージだ。

川で洗い物でもしていたのか、濡れた鍋とスポンジを持っている。

トレードマークの日本刀を腰に提げているコト以外は、やっぱオカーサンだ。


「違うのよ、ソージ。」


オカーサンが着るお揃いの白いシャツの裾を、愛らしい幼女がベソをかきながら引っ張った。

うん。
文章がおかしなコトになっとる。

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