花の名は、ダリア

ナニソレ?
カワイイ。


「ちったぁバカが治ったか。」


ナニソレ?
やっぱカワイくない。


「だーから、元々バカでも電波でも」


「船、急ぐのか?」


(ぐあああぁぁぁ!!
全っ然カワイくねェェェ!!)


『バカではない主張』をサラリと遮ったソージを、カオリは歯軋りしながら睨みつけた。

でもね?

急いでンのはガチだしね?


「…ハイ。
私たちが逃げようとしてるコトも、全部バレてますンで。」


カオリはありったけの文句をグっと飲み込んで、顔を引きつらせながら答えた。


「あら、でも…」


口を挟んだのは、ダリアだ。

しなやかな指で髪を右耳にかけ、愛らしく首を傾げている。


「サムが、逃げる人間を追ったりするとは思えないわ。
代わりはいくらだっているのに。」


「それは」


「ヒっ
来た!!」

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