花の名は、ダリア
ダリアさんてば、ハーイ、なんて元気よく片手を上げちゃった!?
ヤ──メ──テ───!!??
バケモノが、ビクビク反応してンじゃねーか!?
早く、この心臓に悪い状況をなんとかして。
「ダリアは船を調達して、俺らが着いた古い桟橋へ。」
「船を運転してイイのね?
やったー。」
「寄り道しないでくださいよ?
で、おまえらはその桟橋に全員集合して、ダリアから船を受け取ったらとっとと逃げろ。」
「ちょ…ちょっと待てよ。
それより、ココから…」
「フツーに走って、フツーに原付に乗って、フツーに山を下りればいい。
アレは俺が斬る。」
「フツーにって…
アレ、他にも10体くらいいたゾ?
そんな華奢で小柄なアンタに、なんとかできるワケ」
「バっカ、おまえ、童貞か?
男は大きさじゃねェ。
テクなンだよ。」
「あら。
ソージは大きさだってなかなかの」
「そんな話は知りたくないデス!
わかりました!
私たちはフツーに全速力で桟橋に向かいますので、後はお任せします!」
一刻も早く心臓に悪い状況を抜け出したいカオリは、とんでもない方向に脱線し始めた会話を大声で締め括った。