花の名は、ダリア
ソージも着地する。
放たれる容赦ない真っ向斬り。
なんとか脳天ザックリスプラッターは回避したものの、代わりに肩を斬られて地面を転がりながらサムが喚く。
「痛いって!
ほんとやめて!
君、前はあんなに饒舌に僕をディスってたクセに、なんで今日に限って無口なの!?」
…
登場は、夜の覇者っポイ空気出してて結構カッコ良かったのに…
泣き入っちゃったよ?ヴァンパイア伯爵。
ダッセ。
尻もちをつくサムの眉間に切っ先を突きつけたソージが、氷そのもののような冷たい表情で…
「そうだな、おまえの死に様くらいは話してやろう。
おまえはこれから数時間、身体の欠損がない程度に斬り刻まれ、再生する暇もなく血を流し続けて衰弱していき、夜が明ける直前に手足の腱を切られて木に串刺しにされ、日の出と共に塵になる。
悪ィな、楽に殺してやれなくて。
ほら、『貴族』って頑丈だから…プクク」
あれェェェェェ!!??
全っ然冷たい表情じゃねーよ!
笑いやがったよ!
しかも可愛───く、楽しそ───に!
コレ、アレか!?
今までの傷が致命的じゃなかったのは、わざとか!?
嬲ってたってワケなのかァァァァァ!?