花の名は、ダリア

「…
まじかよ。」


目を見開いたソージは、小さく呟いた。

『見ちゃいけないモノを見ちゃったみたいね』

ダリアのその言葉、まんまビンゴじゃねェか。

なら、もしかしてコレも…


「なぁ…
売るはずの女、なんで死体に変えてンだ?
……餌にしちゃった?」


「っ!?
なんで知って…」


今度は男が目を見開き、小さく呟いた。

まじで、まじかよ。
全問正解かよ。


「俺自身はなんも知らねェよ。
どーゆーコトだ?
オメェら、でっかい獣でも飼ってンの?」


青ざめて黙り込んだ男を、ソージは問い詰める。

そりゃ人食獣はコワいだろうケド、差し当たって目の前の恐怖は労咳だからね。

男はチラリと仏殿のほうを見て。
それから、首を捻ってソージを見上げて。

深い溜め息と共に掠れた声をこぼした。


「飼ってねェよ…
女を食ったのは… カシラだ。」




ぱーどぅん?

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