花の名は、ダリア
「どうした!」
コレは敷かれてた男。
「ナニがあった!」
コレはソージ。
「カシラがゴローの奴を…
遂に仲間を喰ったンだ!
おまえらも逃げろ!!」
コレは飛び出してきた男の一人。
あら?
なんか、アウトロー集団の一員みたいになってる?
まぁ、イイや。
シレっと話聞いとこ。
「ゴローが… なんてこった!
なんでそうなったンだ!」
青ざめて叫ぶ男の隣で、ソージも沈痛な面持ちでコクコク頷いた。
喰われたゴローなんて、これっぽっちも知らないクセに。
おそろしいコ!
「唐草模様の風呂敷被ったコソ泥が、女たちを逃がそうとしてたンだ!
取っ捕まえようとしたカシラが、逆にソイツに斬られて…
でもゴローを喰ったら、カシラの傷が塞がって…」
「なんだソレ!?」
「知るか!
カシラはもう人間じゃねーよ!
早く逃げ…おい!おまえ!」
制止の声も聞かず、ソージは次々に逃げていく男たちとは逆方向に駆け出した。