花の名は、ダリア
「アレが?」
ソージはマジマジとダリアを見つめ、それから視線を移してマジマジとカシラを見つめた。
髭ボーボー。
生え際後退。
腹ブヨブヨ。
おそらく人間だった時も、小汚い中年オヤジだったに違いない。
その上、どー見ても日本産だよ?
ダリアとの接点なんて見当もつかない。
女が男を捜すって、どーゆー時だ?
親兄弟があり得ねェなら…
まさか…
ま───さ───か───!!??
「どうして捜してたンです?
アレは貴方のなんなんです?
返答次第じゃ、あのクソは賽の目斬りの刑です。」
「それじゃダメ。
首を刈るの。」
「ハイ?」
「殺すために、捜していたのよ。」
…
あー… そうなの?
どうやら、嫉妬の炎で辺り一面を焼け野原にせずに済みそう。
「首を刈れば、死なない男も死ぬンですか?」
「アレは不完全な生き物なの。
傷程度は治るケド、失った部位の再生や重要器官の修復はできない。
首を刈るか心臓を破壊すれば、死ぬわ。」