花の名は、ダリア

綺麗なダリア。
清らかなダリア。

可愛い、可愛い、ダリア。

貴方は何もわかっていない。

『俺だけが』
『永遠に』
『傍にいる』

それが、どんなに狂気じみているのか。

決して放さない。
決して逃がさない。

邪魔するモノは、片っ端から破壊し尽くしてやる。

たとえそれが。

ねェ、ダリア。

貴方自身だったとしてもね。

綺麗なダリア。
清らかなダリア。

愛しい、愛しい、俺だけの花。

貴方は何も知らなくていい。



えー…
ソレはソレとして。

逆に、知りたいコトがあったりして。


「ねェ、ダリア?」


大人しく膝に抱かれるダリアのペールブロンドを撫でながら、ソージは問いかけた。


「『ヴァンパイア』って、なんなんです?」


「吸血鬼よ。」


気持ち良さそうに目を閉じたダリアが、端的に答える。

いやいや…
そう端的に言われましても?

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