花の名は、ダリア

ダリア先生の講座は続く。


「では、次の問題。
ヴァンパイアに致死量の血を吸われた人間は、どーなるでしょーか?」


「あ。
ソレでヴァンパイアに?」


「ブーっ 違います。
答えは『死ぬ』です。
オプションとして、激しい渇きに悶え苦しみながら息絶えます。」


ぅわぁ…
ソレ、ナンテ拷問?

でもまぁ… フツーだよな?

じゃ、どーやったらヴァンパイアになンの?

どーやって、俺は…

ダリア先生の講座はさらに続く。


「ではでは、次の問題。
致死量の血を吸われた後、ヴァンパイアの血を一滴だけ与えられた人間は、どーなるでしょーか?」


「よし、今度こそなっただろ。
ヴァンパイアになっただろ。」


「ピンポーン!
ソージくん、正解です!」


子供のように喜びながら、ダリアはパチパチ手を叩く。

そして、無邪気にとんでもないコトを…


「その人間は『仕えし者』となります。
『仕えし者』はヴァンパイアの亜種で、栄養を摂取する必要もなく自己再生能力も持っています。
でも、牙がなく、吸血行為はできません。
さらに、意志も感情もありますが、血を与えた主の命令には逆らえません。」

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