花の名は、ダリア

おいおい?
ちょっと待て?

顔を引きつらせたソージが、恐る恐る訊ねる。


「ソレは… 亜種っつーか…」


「うん、下僕よ。
例えるなら、サ○ザーピラミッドで歯車を回し続けるハメになった、気の毒な人たちね。」


「…
その例え、何割くらいの人が理解できンのかなぁ…」


サウ○ーを知ってる人が、まず少ないだろうしなぁ…

まぁ、ソレはともかく。

下僕なんてサラっと言っちゃったよ、この人。

子供らしい純粋な残酷さって、コエぇな。

でも、相手が○ウザーではなくダリアなら、下僕も悪くない。


「なるほど。
じゃ俺は、今日から歯車回し隊に」


「ブーっ ブっブっブ───!
ちーがーいーまーすぅぅぅ!」


ソージの入隊表明を、ダリアが全力で遮った。

見れば、形のいい眉が吊り上がっている。
色のない唇が尖っている。
頬がプゥっと膨らんでいる。



お怒りデスカ?


「アレだけ好き放題しといて、『仕えし者』になるワケないじゃない!
ソージは『貴族』よ!」

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