花の名は、ダリア



お怒りデスネ。

そーなの?
下僕じゃねーの?

『貴族』って…ナンダ?


「…
ヴァンパイアの血一滴で『仕えし者』。
でも、ヴァンパイアの血を望むままに与えられた人間は、『貴族』になるの。」


頬を通常の形に戻して軽く溜め息を吐いたダリアが、『貴族』について語り始めた。

人間を遥かに凌駕する身体能力と鋭い牙を持つ、生き血を啜る悪魔。

新たなヴァンパイアを生み出すことが出来ない以外は、純血のヴァンパイアとほぼ同等の存在。

それが『貴族』。

言い伝えられている弱点は嘘っぱち。

白木の杭を薪に火を熾し、調理したペペロンチーノを銀のフォークで美味しくいただける。

『神に呪われし生き物』どころか『神にすら忘れ去られし生き物』なので、教会も十字架もへっちゃら。

鏡で身だしなみチェックもOK。
川遊びもOK。

無双か。

小首を傾げて考え込みながら、ダリアが補足する。


「単に力だけでいうなら、私よりソージのほうが強いと思うわ。
男の人だし。
昨夜のチャンバラも、スゴかったし。」


チャンバラ言うな。

てか、さらに無双か。

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