花の名は、ダリア

破片は天井を突き抜ける。
仏殿に一筋の陽の光が差す。

って、アンタ…

そんな恰好で足なんて振り上げちゃ、大事なトコロが丸見え…

見え…


「ぅアチっっっ!!??」


ダリアの大事なトコロに釘づけだったソージは、やっと自らの異変に気づいて座ったまま飛び退いた。

異変?

そんな生易しいモンじゃねェだろ。

煙が出てるよ?

お日さまに当たった肩が、焦げちゃってマスYO!


「『貴族』はお肌がとってもデリケートで、日焼けに弱いの。」


腕を組んだダリアが、唇を尖らせて肩をフーフーするソージに頷きかけた。


「日焼けに弱い?
コレ、そんなレベルですか?」


「レベルなんてわかんないケド、弱いの。
再生能力が追いつかなくて、日焼けが全身の40%を超えると死に至るわ。」


ほらぁ…
そのパーセンテージ。

もう日焼けじゃねェだろ。
火傷の域だろ。

だが、話をしているこの短時間で、火傷の痕跡は肌から消えている。

デリケートなんだかチートなんだか、もうワケわかンねェよ。

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