紅色の瞳
「伯母さん私って一体何者?」


「突然なに。」


伯母さんはとぼけたフリをしてる。


「私はどうして目が赤いの。私はどうして中身の知らない薬を飲んでるの。ど


うして私はお守りが無いと頭痛とか渇きを感じるの。どうして私は車を持ち上


げれるの。どうして私には両親のことを話してくれないの。」


「愛璃亜にはまだ荷が重すぎると思って何も話さなかったんだけど。」


「荷が重すぎるって?」


「真実を知らないことの方が幸せだってこともあるのよ。」


「私は真実を知りたいの。どんな事でも受け止められるから、自分の事が分か


らないままなんていや。」


「愛璃亜は、人間と吸血鬼の間に産まれた混血児なの。」 


「乃愛(のあ)は愛璃亜を産んだあとすぐに死んだわ。」


「どうして。」


「吸血鬼の血が流れる仔を産むのはすごく大変な事でね。人間の仔を産むとき


の何倍のも痛みを伴うのよ。だから乃愛は痛み止めをと私に頼んだのだけど


も、私はそれだけはやめた方が良いと言ったのよ。その痛み止めは普通じゃな


くて乃愛の命を保証してくれるわけではないと止めたんだけども乃愛はそれで


も愛璃亜を産みたいと言って聞かなかった。」


「どういう薬なの。」


「刺激の強い薬よ。」


「刺激の強い薬って母が死んでしまうほどの。」
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