紅色の瞳
「それは無理じゃ。」


「どうして。」


「ハンターによって葬られたからの。」


「じゃあもう会えないんだ。」


しばらく沈黙が流れる…


「でも父の霊には会えるよね。」


「どうしてじゃ。」


「会って確かめたいから。」


「確かめるまでもないだろ。わしの言ったことが全てなんだから。」


神木幸志はショックを受けているのだ。あんなに溺愛していた息子がこんな最


後をむかえたから。


キャンドルの火が揺らめき一つまた一つと消えていく。


神木幸志の霊は闇の中に消えた。


「あーあと一つ言い忘れたがな混血児の部隊は吸血鬼を引き連れてこっちに


やってくる。條島由依はなその吸血鬼の血を飲み変化しハンターによって葬ら


れたのじゃ。」


神木幸志の言葉が闇に木霊する。


「母はダメねあんな父に恋して挙句の果てに死んでしまうなんて。」


他の女達も父の子を産んだが為に命を落としたんだろうか。






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