紅色の瞳

ベリーショートの女の子の話が言い終わらないうちに萬治と呼ばれた男はまた


悠一の血を吸っていた。


「やめて!やめて!」


私の叫びも虚しく血を吸いつくされてしまった悠一は地面に倒れた。


「悠一!」


私は悠一の元へ駆け寄った。


首筋が血だらけだ。


地面に横たわった悠一に覆いかぶさるようにして鼓動を聞いてみる。


息をしていない。


「私絶対貴方達の仲間になんかならないから。」


悠一をこんな目に合わせる男のいる部隊になんか入れない。


「それは認められないわ。」


ベリーショートの女の子は瞬間移動で私のいる方に来て私の顎を掴んだ。


「貴方が私達の仲間になるまで返さないわよ。」


逃げられるかなと思い後ろを振り向くと女みたいにほっそりで小柄な茶髪の男


子ともう1人小柄で赤褐色の髪をカールした女の子がいる。


それでも私の周りに立っている混血児達が瞬間移動できるなら自分にも可能だ


と思い強行突破を試みる。


しかし…


「逃げられないから勘弁しなさい。」


瞬間移動はできずに失敗に終わり小柄な女の子に抱きとめられる。


瞬間移動出来ないのはお守りを付けているせいだろうかと考えた私は、強烈な


痛みと飢えを覚悟でお守りをちぎって地面に投げ捨てる。


ところが今回は痛みも飢えも襲って来なかった。


その時初めて毎日飲んでいる叔母さん特製ドリンクが何か分かった。


あの中身は血なのだ。


お昼に野菜タコスを食べた時一緒にドリンクも飲んだので今回は飢えも痛みも


感じないのだ。


もう一度強行突破だ!





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