紅色の瞳
      <7月9日・猪崎が編入して来て34日>

混血児たちへの報復を誓ってから1週間。


あれからずっと私はトレーニングを続けていた。


しかしまだ瞬間移動も重たい物を持ち上げるのも出来ていない。


「なんで出来ないの。」


私は近くにあった木を蹴った。


ばらばらと葉っぱが落ちる。


「愛璃亜、落ち着いて。ポカリスエットでも飲んで。」


この1週間松華は差し入れにポカリスエットを私にくれるけど、松華はいつも


呆れた顔してる。無謀な事だと思ってるのだ。さすがに私も無謀な事してるん


じゃないかと思い始めてる。


「もう止めなよ。」


いつも松華は同じことを言ってる。


「私、止めない。」


そして私もいつも同じ言葉を返す。


突然松華は校舎の方へ歩き出した。


私は気にせずダッシュを再開する。 


またしばらく走っていると息切れがしてきた。


松華から貰ったポカリスエットを1口飲む。


「諦めが悪いんだな。」


私は声のする方を向く。


「猪崎なんでいるの。」


「神木さんに呼ばれたんでね。」


「松華〜なんで呼んだの。」









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