紅色の瞳
「猪崎なら力になってくれると思ったから。」 


「猪崎の力なんて必要ない。」


「でも悪戦苦闘中なんだろ。」


「貴方に助けてなんて言わないから。」


猪崎に助けを求めるなんてばかばかしい事はしない。


勝手な考えだとは思うけどきっと何か交換条件を出してきそうだから。


「君の力は銀入りドリンクによってコントロールされてるんだぞ。」


「そんなことはわかってるよ。」


「でもあの時は力を使えた。」


「だからそんなのは偶然だ。」


猪崎は私が車を持ち上げた所を見ていないはず。それとも私が気づかなかった


だけで見ていたの?


「猪崎は私の血が欲しいわけだよね。」


少し嫌味っぽく言ってみる。


「君の力じゃ混血児達には勝てない。」


あのシーンを思い出す。吸血鬼の餌食になった悠一を思うと胸が苦しい。


悠一を助けられなかったのは私が力不足だからだ。


松華を苦しませてるも私の力不足のせい。


「猪崎ならあの混血児達を倒せる?」


「約束する。」


猪崎は私の首にキスをしたと思ったら牙を立てて私の血を吸った。


松華が見ていると思って周りを見渡すけど周りには誰もいない。校庭にいるの


は私達だけだ。松華はいつの間にかどこかに行っていたのだ。


「契約完了。」



< 42 / 83 >

この作品をシェア

pagetop