紅色の瞳
【桜田高等学校】


「きりーつ!」


「きおつけ、例。」


「ありがとうございたした。」


日直の号令でHR終わりの挨拶をする。


クラスメイトがスクバを持ってぞろぞろと教室を出て行く。


「愛璃亜!」


隣の教室から松華が来た。


「ごめん今日は用事があるんだ。先に帰ってて。」


用事があるというのは猪崎との血の契約の事だ。


「分った。」


松華が教室を出て教室には猪崎と私だけの二人になった。


「ふーん。てっきり逃げ出すと思った。」


「私は逃げたりしない。」


「そっ。じゃあ…」


猪崎は首に貼ってあるバンソコウを外そうとした。


「ちょっと待って。」


「何?傷跡を増やしたいの…」


「いや心の準備がまだ…」


「じゃあ眼閉じてて。」


私は眼を閉じる。









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