紅色の瞳
      

             ー現在ー




「愛璃亜の好奇心旺盛ぶりには毎度困っているんだから。」


「あの時はお母さん起こすの大変だった。なかなか起きなくて。」


松華の話より今は青年のほうが気になって仕方ない。なぜならあの時から


全く成長していないように思えるから。12年もたっているというのにおかし


い。もしかしたら彼は童顔なのかもしれないけどおかしな事がもう一つあ


る。あの時彼は怪我してすりむいた足の血を舐めていたような…さすがにそれ


は記憶違いだとは思うけど。それに彼は私の怪我を治してくれようとしたのか


も。


「愛璃亜、私の話聞いてる。」


「聞いてるよ。ちょっと考えごとしてただけ。」


「そう。」


彼に怪しいところがあるなんて言えなかった。


松華と伯母さんが来た時には彼はいなくなっていて、松華は彼の顔を見ていた


わけでは無いから…



           ー次の日学校でー


「今日は新しく、君達のクラスメイトになる編入生を紹介したいと思う。」


「どうも。猪崎玲音です。」


先生に紹介した新しいクラスメイトとはあの時の何処か怪しい青年だ。


「みんな仲良くするように。」
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