紅色の瞳
        <7月11日・猪崎が編入して来て36日>

「まずは血になれることから始めるんだ。」


「私は毎日血を飲んでるでしょ。」


「愛璃亜の飲んでるドリンクには飲みやすいように色々混ぜてあるから。」

猪崎は私に輸血用の血を差し出した。


「これ病院のだよね。」


「いつももらってるんだ。」


「そ、そう。」


そういえば叔母さんはいつもの血をどこから調達しているんだろうか。


輸血用の血を啜ってみる。


「まず。」


「半分人間ちゃんにはなれない味だろ。」


「匂いを嗅がないように。」


「こう?」


今度は鼻をつまみながらもう一度輸血用の血を啜る。


意外といける。


「これで能力が使えるだろう。特訓するぞ。」















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