紅色の瞳

「じゃあ5人目の混血児がそろったことを祝して乾杯。」


藤鈴子が血を注いだグラスを宙に掲げる。


それに続いて私も含む残り4人も血を注いだグラスを宙に掲げて乾杯する。


この血はどんな味か試しに1口飲んでみる。


輸血用の血よりまずい。


「これ何？」


「鳩の血だよ。」


藤鈴子が応えた。


「あんたたちは動物狩りをするの。」


「必要な血を摂取するために自ら狩りをするのも訓練の一環だから。」


「ねえ藤さんが吸血鬼を敵視する理由ってなに？」


「飢えた吸血鬼のせいで私の両親は死んだの。」


「私だけじゃない。みんな吸血鬼が憎いからこそ団結したのよ。」


「愛梨と弘大は居場所がないから仲間になったみたいな感じだけど憎んでるの


よ自分自身の飢えを。」