紅色の瞳
私は暇な時に必ず人間観察をするのだ。ぐるりと辺りを見回すと、委員長が自


分の手作りケーキを猪崎に勧めている光景が目に入った。委員長はやっぱり自


分の株を上げたいのだ。猪崎は甘いものは苦手なんだと言って委員長の勧めを


断っている。人間観察は楽しいけれどここは居心地が悪いのでこっそり帰ろう


とした時、猪崎がこっちに来た。


「愛璃亜、暇なら俺と話そうよ。」


猪崎はこの8日間ずっと私に絡んでくる。なんとなく迷惑だ。


「私、帰ろうと思ってるんだけど。」


猪崎のことは無視して帰ろうと思い、そのまま出口に向かった。


家についてから私は悠一に電話をかけた。











 
「で、パーティはどうだった。」


「猪崎ってなんか危険な匂いがする。」


「またそれかよ。」


確かに悠一には何度も猪崎は危険な匂いがすると言い続けてきた。


「猪崎には絶対なんか裏がある。」


私は根拠もないのにそう言った。
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