紅色の瞳

私が小野弘大と出会ったのは悠一を失って悲しみに暮れていた時だった。


私はすごく悲しかったけど母にも愛璃亜にも悲しいって顔はけして見せなかっ


た。


でも愛璃亜が混血児達への報復に燃えてた時にいつもカフェに一人で行った時


初対面の小野弘大に言われたんだ。


「君は一人で無理してるよね。あんまり無理はしない方が良いよ。」


って。初対面なのに私の気持ち見透かされていて…初対面なのに優しい言葉か


けられて…そんな小野弘大が悠一と重なった。


顔は似ていない。悠一は長身で小野弘大は小柄な体型。だけど小野弘大も


悠一と同じく優しかった。


だから私は悠一と重なる小野弘大に心を許した。


小野弘大が混血児軍団の仲間だと知らなかった私は彼に悠一の話をした。


「実はこの前彼氏が死んだの。」


真剣に話を聞いてくれてなんだか心が軽くなるところも悠一と重なった。


カフェラテを注文するために財布を取り出した時かばんの中に入れてた本に小


野弘大は興味を持った。


「貴方も木下望美の作品読むの？」


私は聞いてみた。