Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「あ?」
「だから、田部先生。入院してるって、お前んとこ。」
ある日。
顔を見るなり龍也が焦ったように言った。
それから。
慌てて走ってウチの病院に向かった。
飛び込んだ病室で見たのは、変わり果てた先生の姿だった。
「おお!拓海か!」
声はいつもと同じ・・・いや、力がない。
「・・・っにやってんだよ!何だよ、コレ‼︎」
「すまんすまん・・・自分でも驚いてる。」
やせ細った先生。
ガタイがよくて色黒で、サーファーみたいな感じの。
俺たちと拳をぶつけ合ってもビクともしなかった、あの先生が。
痩せて別人の様に見えた。
「まさかなぁ、自分が病気になるなんて思ってなくてさ。気付いた時はもう手遅れだった。」
笑って言う先生の表情はとても穏やかだった。
記憶する中で1番の。
優しい笑顔。
「癌、なんだってさ。」
「せ・・・ん、せい・・・。」
言葉がでてこなかった。