Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「もう、何回目?いい加減にして、資料まとめなさいよ。
年内に仕事片付かなくなるわよ?」
背後で少し低めの声がして、カツン、とヒールの鳴る音がした。
「だって、藍ちゃん、見て、すごくない?」
「はいはい、わかったから。
色ボケてないで仕事して。クリスマス、残業させるわよ?」
鬼の一声で、気が引き締まる気がした。
確かに、12月頭のプレゼンでNGを出された。
他の案を採用され、落ち込んだりもした。
でも。
これが。
この指輪が。
自分のモチベーションを変えてくれた。
・・・このままでいいの?
貰いっぱなし?
拓海くん、って呼ぶだけで彼が積み重ねてきた大切なお金を使わせたままであたしはいいの?
ダメだよ。
そう強く思うのだ。