Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「彼氏さん、タバコ吸われるんですか?」
店員は、鍵を開けながらそう訪ねて来た。
「はい。これって、誰でも使えるんですよね?」
「もちろん。プレゼントにされるのなら、石やオイルもセットにされるといいですよ。」
それは、オリジナリティ溢れる『zippo』だった。
今でも拓海は使っている。
とてもシンプルだけれど、年季の入ったものだった。
「これ、がいい。」
最初に目がいったもの。
表面にクロスの模様がある、独特なデザイン。
「セットにされますか?」
「はい、お願いします。」
そう決めると後は早かった。
ちらり、と杏の手荷物を見た女性店員がニコリと笑う。
「もしよろしければ・・・そちらのプレゼントとご一緒にお包みしましょうか?」
ハタ、と気付く。
それがいいかもしれない。
言われなければ気づかなかった。