Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
不意に誰かに呼ばれた気がして振り向いた。
誰も居るはずないのに。
空耳かな。
また前を向き歩き始めるが、やはり、誰かが呼んでいる。
空耳じゃない、ハッキリと聞こえた。
「た・・・くみ、くん?」
闇に紛れる様に立っている、その人は。
「拓海くん‼︎」
どうして?
旅行に行ったんじゃなかったの?
「杏さん。メリークリスマス。」
そこに居たのは紛れもなく彼で。
手には真っ赤な薔薇の花束を持ち、スーツ姿で微笑んでいた。