Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「あ」
包みを開けた途端、零れた声。
「わ、すげぇ、かっこいい・・・」
zippoを手に取り蓋を開けたり閉めたり。カチ、カチ、と独特な音をさせる。
表情をチラと盗み見ると、まるで宝物を見つけた子供みたいな顔をしている。
「ありがとう、杏さん。めちゃくちゃ嬉しい。」
こちらを見る拓海の表情は緩みっぱなしだ。
「よかった、気に入ってもらえて。」
「大事にする。ありがとう。」
よかった、プレゼントあげて。
こんなに喜んでもらえると、こちらまで嬉しくなる。
「ねぇ、あたしのウチに着いたら教えてくれるんだったでしょ?あれ、なんだったの?」
それが気になって仕方なかった。
なんだろう、言いかけていた言葉の続き。
「うん、ね、ここに座って。」
ソファの隣をポンポンと叩き、杏を促す。
ゆっくりと座ると、拓海の掌がゆっくりと杏の手を包んだ。
「?」
どうしたんだろ?
なにも言わない彼を不思議に思い見ていると。
「結婚してください。」
・・・という言葉が聞こえた。