Would you marry me? 〜年下彼氏と結婚するまで〜
「え・・・?」
いきなりのことに言葉を失う。
何か言わなきゃ、と思うのに声にならない。
「まだ早い、って思うかもしれない。
俺、まだ学生だし。でも。
・・・離れていたくないんだ。
毎日、側に居たい。杏さんの隣で、杏さんの笑顔を守りたいんだ。」
緊張した表情だけど。
目は真剣で、真っ直ぐに杏を見ていた。
ようやく理解し始めた頭が、杏をパニックにする。
「で、でも、あたしだよ⁉︎
そんな、拓海くんが思うような女じゃないかもだよ⁉︎」
YES、と言いたいのに頭が拒否を選択した。
自分でいいのか、と。
「結婚したい。」
もう一度、力強く言葉が降る。
「他の誰でもなく、杏さんと。
・・・杏、結婚して。俺の奥さんになって。」
向き合うように座り直し、拓海が杏を引き寄せ抱きしめる。
「嫌?」
「あたし、で、いいの?」
5歳も年上で。
何事も上手くこなせなくて。
何処かいい所があるわけでなし。
そんな、あたし、で???
「杏じゃなきゃダメだ。
こんな風に思うの初めてなんだ。
結婚、しよう?杏?」
4度目。
ようやく、素直に頷いた。
気持ちのままに、はい、と声にした。